どんな職業か
コンピュータのソフトウェアの誤り(バグ)を見つけ修正する。 仕事には幅があり、バグを見つけることだけを行う人もいれば、バグの原因を検討し、見つかったバグの修正まで行う人もいる。コンピュータ・ゲーム開発では、ゲームテスターとしてもっぱらバグを見つけ、修正までは行わないことが多い。仕事の流れとしては、ソフトウェアの確認方針を決定し、確認項目一覧を作成し、所要日数や所要人数を検討してチームを作り、手分けして、確認を行う。バグは想定外のところにもあるので、人海戦術でしらみつぶしに確認する。 コンピュータのソフトウェアを開発する場合、基本設計、詳細設計に沿ってプログラミングが行われるが、ソフトウェアができるとこの設計のとおり稼働しているか確認し、デバッグ(バグの修正)が行われる。大規模なソフトウェアの場合、出来上がった部分から確認を行い(単体テスト)、デバッグを行う。出来上がった部分を接続しまとめていくが、この段階でも動作確認(結合テスト)、デバッグが行われる。全体が完成すると全体を通しての動作確認(総合テスト)、デバッグを行う。大規模かつ複雑で、新規に開発された部分が大きいソフトウェアの場合、バグを見つけ修正、そして検証を繰り返し、これに何か月も何年も要することがある。最初に述べたように、バグを見つけることだけを行う場合と、バグの原因を検討し、修正まで行う場合がある。バグの発見だけを行う場合は、このような条件でこのような誤った動きになるとレポートとしてまとめ、ソフトウェア作成者に連絡する。 開発から独立した第三者の立場で、正常に動くか、問題が発生しないか等々、テストを繰り返し、ソフトウェアの品質保証をすることをQA(Quality Assurance)といい、この部分をもっぱら行う場合、QAテスター、QAエンジニアと呼ばれる。 現在では既に多くのソフトウェアが稼働しており、オペレーティングシステム(OS)のアップデートに対応するために、既存のソフトウェアの修正が必要になったり、より良いシステムにするために、ソフトウェアを修正する必要が生じたりする。また、ソフトウェアが関係する機器が新しくなり、そのためにソフトウェアの修正が必要になる場合もある。この場合でもソフトウェアの修正で新たにバグが生じていないか、確認が必要となり、デバッグが行われる。最近では様々な機器にコンピュータが組み込まれ、機器の制御がソフトウェアで行われているが、見つかったバグを修正するため機器のハードウェアまで手直しする人もいる。 コンピュータ・ゲームの誤りを見つけることだけを行っている場合、ゲームテスター等と呼ばれる。最近のコンピュータ・ゲームはスマートフォン用が多いが、パーソナル・コンピュータ、ゲーム専用機のゲームもある。最近のコンピュータ・ゲームは複雑になり、開発の後半はもっぱら、ゲームの展開やタイミングの調整と、動作確認、デバッグであり、この部分に半年から年単位でかかる場合もある。スマートフォンは多くの機種が発売されていることから、一般に利用されている機種全てで、問題がないか確認する必要がある(iPhone、Android、合わせて数十機種となる)。最近のコンピュータ・ゲームのデバッグは大がかりな作業であり、数十名、数百名がチームで行う。コンピュータ・ゲームのデバッグはゲームが好きな若者にとっては願ってもない仕事であり、高校生、大学生がアルバイトとして参加していることも多い。この場合、発売前にゲーム内容が漏れることが無いよう、守秘義務の厳守が徹底される。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パーソナル・コンピュータ、スマートフォン(様々な機種)、ワープロソフト(Word等)、表計算ソフト(Excel等)、プログラミング言語(Java、C++、Visual Basic等)、ソフトウェア開発環境
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 読解力 | 3.9 | 231 / 498 | 上位46% |
| 文章力 | 3.8 | 207 / 498 | 上位42% |
| クオリティチェック | 3.8 | 36 / 498 | 上位7% |
| 説明力 | 3.8 | 273 / 498 | 上位55% |
| 傾聴力 | 3.6 | 372 / 498 | 上位75% |
| 指導 | 3.2 | 328 / 498 | 上位66% |
| 時間管理 | 3.0 | 262 / 498 | 上位53% |
| 他者との調整 | 2.9 | 341 / 498 | 上位68% |
| 複雑な問題解決 | 2.8 | 302 / 498 | 上位61% |
| 継続的観察と評価 | 2.7 | 319 / 498 | 上位64% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| コンピュータと電子工学 | 2.2 | 45 / 508 | 上位9% |
| 事務処理 | 1.8 | 265 / 508 | 上位52% |
| 通信技術 | 1.5 | 77 / 508 | 上位15% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.3 | 319 / 508 | 上位63% |
| コミュニケーションとメディア | 1.2 | 286 / 508 | 上位56% |
| 設計 | 1.2 | 133 / 508 | 上位26% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.0 | 445 / 508 | 上位88% |
| 外国語の語彙・文法 | 0.9 | 284 / 508 | 上位56% |
| 公衆安全・危機管理 | 0.9 | 361 / 508 | 上位71% |
| 数学 | 0.8 | 314 / 508 | 上位62% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.4 | 167 / 426 | 上位39% |
| 記述表現 | 3.3 | 114 / 426 | 上位27% |
| 記述理解 | 3.2 | 115 / 426 | 上位27% |
| 発話表現 | 3.0 | 206 / 426 | 上位48% |
| 発話理解 | 2.9 | 207 / 426 | 上位49% |
| 選択的注意(集中する力) | 2.9 | 141 / 426 | 上位33% |
| 知覚速度 | 2.9 | 42 / 426 | 上位10% |
| 演繹的推論 | 2.8 | 208 / 426 | 上位49% |
| マルチタスク | 2.8 | 180 / 426 | 上位42% |
| 帰納的推論 | 2.8 | 192 / 426 | 上位45% |
仕事内容
- ソフトウェアの誤り(バグ)を見つけ修正する。
- デバッグの方針を検討する。
- 確認内容一覧を作成する。
- デバッグの所要日数、所要人数を検討する。
- 開発の途中で(単体テスト)、出来上がった部分からデバッグを行う。
- 出来上がった部分をまとめ(結合テスト)、その段階でのデバッグを行う。
- 全体を通して(総合テスト)のデバッグを行う。
- 見つかったバグを一覧表の形でまとめ、開発担当者に連絡する。
- バグの原因を検討する。
- 開発担当者とバグ修正の方法を検討する。
- バグの修正を自分で行う。
- バグが関係するハードウェアの手直しを行う。
- スマートフォンでゲームを行い、バグを見つける。
- 様々なスマートフォンの機種でゲームのバグを見つける。
- パーソナル・コンピュータでゲームを行い、バグを見つける。
- ゲーム専用機等でゲームを行い、バグを見つける。
- デバッグ・チームをマネジメントする。
なるには
入職にあたって必要とされる特定の学歴や資格はないが、ソフトウェア開発でのデバッグでは、それまでシステム開発等を行ってきたベテランが行うことが多い。バグの原因は様々なので、いろいろなシステム開発を経験し、いろいろな状況をイメージできる中高年が行うことが多く、シニアも活躍している。 一方でコンピュータ・ゲームの場合、ゲームが好きな高校生、大学生がテストセンター(ゲームのデバッグを専門に行う施設)に集められ、ゲームを行い、バグをみつけていく。このような中から正社員として、テストを行う会社やゲーム開発会社に就職するのも、一つの典型的なルートとなっている。会社に就職し正社員になると、テストを行うチームをまとめる役割を担うことになる。 バグの修正まで自分で行う場合は、プログラミング言語、オペレーティングシステム等の知識も必要となる。ハードウェアの手直しまで行うのであれば、ハードウェアの知識も必要となる。コンピュータ・ゲームのテストであれば、長年、様々なコンピュータ・ゲームをしてきた経験がバグの発見に役立つ。 最近のコンピュータ・ゲームは海外でも販売されており、様々な言語で開発される。このため英語、中国語等に堪能な人が求められることもある。文化や法律の違いも意識する必要があり、発売予定の現地で採用される人もいる。 バグによるシステムのトラブルを避けるため、細かな作業を繰り返し、繰り返し、丹念に行う根気強さが求められる。顧客のシステムであったり、発売前のゲームであったりと機密性の高い情報に接することから、守秘義務を遵守することも必要である。デバッグはチームで行い、開発担当者との連携が必要なこともあるため、コミュニケーション能力も求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| わからない | 0.4 |
| 大卒 | 0.3 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| 高卒 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
給料
賃金構造基本統計調査では「車掌」として集計されています(2023年・全国)。この区分には1の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 367.2千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,200.9千円 |
| 平均年齢 | 38歳 |
| 平均勤続年数 | 15.7年 |
| 労働者数 | 1,911人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤254.1千円
- ≤305.5千円
- ≤343.4千円
- ≤365.6千円
- ≤426.4千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先はソフトウェア開発会社、メーカー、また、デバッグを専門に行う会社である。このような会社は大都市に多いが、地方都市にもある。また、リモート環境が広く整備されてきたことによって、大都市の会社のデバッグを地方都市で行うこともある。 ただし、機密性が高い情報を扱うため、自宅で作業することはなく、会社内やテストセンターで行う。 開発の中でデバッグ作業を行う者もいることから、開発を行うエンジニアとの境目がなく、就業者数の確定は難しいが、ソフトウェア制作には常に必要な作業であり、今日、ソフトウェアが大規模になっていることから、デバッグにも人数が必要であり、かなりの人が従事していると考えられる。ゲームテストだけに関しても正確な統計はないが、各地にテストセンターがあり、常時、数百人規模の人が働いていることから、全体では数千人はいることになり、ゲームのテストでは時間を区切って交代で作業を行うことから、その何倍も従事していることになる。 現状では就業者は男性の割合が多い。ソフトウェア作成、システム開発のデバッグでは40代から50代が多い。ゲームテスターは高校生、大学生のアルバイトなどの若年者が多く、女性も増えている。 雇用形態としては、ソフトウェア作成、システム開発で行われるデバッグでは正社員、または協力会社の正社員が大半である。賃金は社内規定による月給制が多い。通常の朝から夕方までの勤務であり、週休2日制となっている。開発の山場や問題点が見つかった場合など、残業が多くなることもある。 今日、各方面での情報化が進んでおり、デジタル化、DX(デジタルトランスフォーメイション)が進められている。情報化の進展のためにはデバッグは必須であり、様々な開発とデバッグは表裏一体となっている。単体のプログラム作成ではテストが一部自動化されているものもあるが、最後は人が逐一確認していくことになり、完全な自動化は難しく、今後も需要のある仕事と言える。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- プログラマー近さ 0.662
- ヘルプデスク(IT)近さ 0.621
- データエンジニア近さ 0.586
- ソフトウェア開発(スマホアプリ)近さ 0.570
- 経理事務近さ 0.543
- システムエンジニア(基盤システム)近さ 0.536
- 製版オペレーター、DTPオペレーター近さ 0.529
- 運用・管理(IT)近さ 0.528
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)